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2010年 01月 16日
“エコ標語”プロジェクト
昨年の6月から始まった『エコ標語』プロジェクトは、 広く市民の皆様から環境問題への取組やメッセージなどを集め、 同年12月にデンマークで開催された COP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)へ届けよう!を合言葉に、 びっくり!エコ実行委員会が推進してきました。 今回は、そのプロジェクトの中心的なメンバーである 山下真貴子さん(京都大学工学研究科修士1回生)と、 COP15に参加された藤本成彬(なりあき)さん(同所属修士1回生)に、 お話を伺いました。 Q.『エコ標語』プロジェクトで、印象に残ったことは? 山下:昨年8月に新宿・京都の髙島屋で開催された「びっくり!エコ100選2009」の会場では、小さなお子様も保護者に標語の書き方を教えてもらいながら、一生懸命考えてくれました。子どもから大人まで、一人ひとりが真剣に取組んで下さった姿がとても印象に残っています。 また、同時期に京都市役所前で行った「エコ灯ろう」企画と連動して、環境大臣や山田啓二京都府知事、門川大作京都市長、またメルビンデンマーク大使などに書いて頂いたエコ標語や京都市内の幼稚園児が描いてくれた絵が、7色のLED に浮かび上がった時は、本当に感動しました。訪れた人々から「ぜひこの取組を成功させて欲しい」と激励され、国籍を超え、多くの方とコミュニケーションを取れたことが、大変貴重な経験となりました。 Q.『エコ標語』プロジェクトを通して考えることとは? 山下:エコ標語の募集を始めたばかりの頃は、「本当に応募があるのだろうか」と不安でしたが、最初に応募はがきが届いた時には「一生懸命発信をすれば、私たちの想いは届くのだ」と、とても勇気付けられました。KBSラジオで募集を呼び掛けた際にも多くの反響を頂き、参加者のご協力があってこそ、実現できたプロジェクトだと感謝しております。 今回集まった2200点余りの作品は、全てデンマーク大使館、またCOP15の会場へ届けました。東京のデンマーク大使館では、入選された小学生にもご参加頂き、メルビン大使に直接お渡しすることができました。「巻物がとても美しく、素晴らしい取組ですね。」と大変喜んで頂き、日本とデンマークの自然エネルギー利用についての興味深い示唆を頂きました。 『エコ標語』プロジェクトを通して、環境問題について分かりやすく伝えるイベントの意義や可能性を強く感じました。そして、エコ標語を一生懸命考えて下さった皆様が、その想いをいつも心の片隅に置いて下さることを願っています。 Q.デンマーク・コペンハーゲンを訪れて、日本との違いを感じましたか? 藤本:デンマークは自然エネルギーの利用が進んでおり、宿泊地からCOP15が開催されたベラ・センターへ向う途中の海上には、100基ほどの風力発電機が稼働していました。また、ベラ・センターにも、建物内の一部の電力をまかなうことのできる風力発電機があり、風力の利用が身近であることを実感しました。他にも、火力発電で生じた熱を地域暖房に活用する取組も進んでおり、日本のエネルギー対策として有効な事例が挙げられます。 更に、サイクリングロードの整備が徹底されており、安全で快適に自転車での移動ができる点も、日本に取り入れていくべき良い点だと感じました。 Q.京都からCOP15に参加されて、印象に残ったことは? 藤本:これまで、先進国と発展途上国との利害の対立について教科書で学んだことはあっても、なかなか現実問題として意識したことはなかったのですが、実際に双方の意見がまとまらず会議が中断する中で、この問題は無くなるどころか、未だ解決の糸口が見えない根深い問題であることを改めて実感しました。私は12月10日から17日の旅程で参加したのですが、その間にも会議へのNGOの参加を制限する動きがあり、地球規模での大切な議論の場が閉ざされることに大きな疑問を感じました。 一方、世界各国から駆け付けた約5万人のNGOや市民によるパレードは、各々がメッセージカードを持ち、その自由で明るい雰囲気は特に印象に残りました。私たちも“WE LOVE KYOTO”というメッセージを掲げ、2時間余りにわたって街を行進しました。KYOTOの知名度は非常に高く、「遠くからよく来てくれた」と話し掛けられたり、コーヒーをプレゼントされたり、と嬉しいエピソードもありました。 地球温暖化-空気は世界中繋がっています。人種・老若男女を問わず、誰にでも関係のある問題として、その解決へ向けた輪が広がるよう、私たちにできることを続けていきたいと思います。 後記:今回お話を伺った山下さん・藤本さんは、京都大学で主に廃棄物対策についての研究に取組んでいる若きホープたち。地球規模での問題に立ち向かい、社会との架け橋になろうと懸命に挑戦を続ける彼らの努力は、様々な場面で、行政や企業を動かしています。 身近な環境取組を“標語”という形で広く募集した『エコ標語』プロジェクト。この活動の真意は、地球規模で環境問題を考え、行動する人々の連携を深める、そのための大きな一歩なのだと感じました。 ●エコ標語についてのインフォメーション びっくり!エコ実行委員会HP ●COP15の現地レポートを掲載しています 京都大学生協HP
by eco100sen
| 2010-01-16 00:01
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